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【フットゴルフW杯大会レポート②】ゴルフコース(アルマーデン1)編
2019.01.09 22:00 Topics
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2018年12月に行われた、FIFG FOOTGOLF WORLD CUP 2018 in MARRAKESH。日本は前回のアルゼンチン大会に続いて2大会目になります。フットゴルフのワールドカップってどんな感じなんだろう・・・?そんな方に大会の裏側をお届けします!
第2回はゴルフコース(アルマーデン1)編!

 

大会レポート②~ゴルフコース(アルマーデン1)編~

今回、一般の部が行われたアルマーデンゴルフリゾートは、周りに別荘が立ち並ぶ他、場内に大きな貯水池のようなものがある為、18Hしかない割に面積は広大。しかも遠くにはアトラス山脈が一望できる絶景で、日本には絶対にない雰囲気のコースでした。過去にはヨーロピアンツアーやフランスチャンピオンシップなどのプロゴルフツアーが開催されたこともある由緒正しき名門コースですが、芝は、OUTとINで若干異なっているようで、暖地型としては一般的なバミューダグラスとティフトンがそれぞれで生えているように見えました。また、芝が薄く、歩くと地面の突き返しを感じるほどだったので、ボールは良く転がりました。ちなみにOUTがAlアルマーデン2、INがアルマーデン1と名づけられ、それぞれでフットゴルフコース18Hずつのセッティングがなされていました。

 

<アルマーデン1>

アルマーデンゴルフリゾートのINコースを使ってセッティングされたフットゴルフコース。大部分をティフトン芝が占めていましたが、OUTコースと比べて芝が厚く綺麗に生え揃っていた為、団体戦、個人戦共に最終日のラウンドに使われるなど、主に今大会のメインコースとして使用されました。

フットゴルフコースとしては全体的に飛距離はやや短めでしたが、代わりにグリーン周りが極端に難しくなっていた為、トップ選手もスコアを崩す場面が多々見られました。特徴的だったのは、フットゴルフのカップがゴルフのグリーン奥のカラーに切られていて、必ずゴルフのグリーン上を通してカップを狙わなければいけなくなっていたこと。ヨーロッパのフットゴルフシーンでは当たり前に行われているセッティングなのですが、日本国内では絶対にできないセッティングなので、慣れない日本人選手にはハンデとなってしまっていました。また、グリーンを使用しない位置にあるカップも、傾斜がきついフェアウェイやバンカーのすぐそばに切られていたりして、厳しいセッティングになっていました。このあたりは日本国内でも同様のセッティングにできると思うので、同じようなセッティングが増えてくれれば日本のフットゴルフのレベルアップにつながるのではないでしょうか。

※コースレイアウトは、実際のピン位置と若干異なっています

 

■No.1


(左)No.1コースマップ(右)No.1ティーイングエリア

セカンド付近にある窪みを超えられれば楽々パーが取れるホールだが、残念ながらそこまでのロングヒッターは世界的にみても皆無。ほぼ全ての選手がラフにある窪みにボールが吸い込まれ、2打目を飛ばしていかなければならないマネジメントとなるだろう。3打目付近は、全体的に右傾斜になっている上、フェアウェイ右側が崖のようになっていて、この崖に落ちると2m以上も下のラフから蹴ることになる為、2打目はフェアウェイ左サイド狙いがセオリー。カップ周りは奥にくだりとなっている為、手前から短めに攻めるのがベスト。

 


No.1ティーイングエリアからセカンド方向。4人の選手が立っているあたりがセカンド地点。1打目はほとんどの選手がこの窪みに。

 

■No.2


(左)No.2コースマップ(右)No.2ティーイングエリア。正面のバンカーに入れてしまうとボギーは必死。

真正面に見える大きなバンカーをどう避けていくかがポイント。セオリーはバンカー左側からだが、左からだとカップの奥すぐにバンカーがある上、ショートするとグリーンの傾斜でボールが手前に戻ってきてしまうことから、2打目の距離感が重要となる。ちなみにバンカー右を狙う場合は、グリーン右側にあるバンカーに2打目がかからない位置にボールを置ければパーを取ることはたやすい。

 

■No.3


(左)No.3コースマップ(右)No.3、元鹿島アントラーズの阿部敏之選手のティーキック。フェアウェイ左に見えるバンカーの更に左にあるラフが、もうひとつのルート。

ティーグラウンドから見て、右のフェアウェイ側と、左のラフ側の2つのルートがあるPar5。飛距離を出せる選手は下のラフのほうから攻めていくほうが良いが、飛距離が出ない選手は上のフェアウェイ側を通って攻めていくのが良い。フェアウェイ側のルートは、3打目あたりからカップまで長い下りになっている為寄せやすいが、カップ周りの傾斜がきついので、3打目の距離感が重要。一方、左のラフのルートは、カップ周りが上りになる為、しっかり飛距離を稼いだ選手はイーグルも狙える。

 

■No.4


No.4コースマップ

No.2同様、正面のバンカーをどう攻略するかがポイントとなるPar3。ベストはバンカー左だが、実はバンカーに入っても見た目程難しくはない。ここでのワーストルートはバンカー右側で、バンカー右奥のグリーンが右に傾斜しており、グリーンに止まったボールは全てグリーン右下のバンカーに落ちてしまう上に、このバンカーからのアプローチはとても難しい為、絶対に避けたいところ。ちなみにバンカーからのアプローチは、少しでもショートした場合にはバンカーまでボールが戻ってきてしまいやり直しとなる上、少しでもオーバーすると奥のバンカーに吸い込まれ、難しい返しのパーパットが残ることになるので、万が一入れてしまった場合はボギーを覚悟しよう。

 

■No.5


(左)No.5コースマップ(右)No.5ティーイングエリア。フェアウェイの傾斜はティーイングエリアから見ると大したことのないように見えるが・・・

ティーグラウンドの正面に大きな貯水池があるトリッキーなホール。貯水池右に見えるフェアウェイは貯水池側に大きく傾斜している為、キック力のない選手がフェアウェイにボールを蹴ると、ほとんどのボールが貯水池に吸い込まれてしまう。一部のキック力のある選手は、このフェアウェイを越してグリーンに乗せることができていたが、そこまで無理をする必要はないだろう。セオリーは、ティーグラウンドのすぐ先にある小さなティーグラウンドにボールを置き、2打目でゴルフのグリーンを狙うこと。うまくいけばバーディー、悪くてもパーは堅い。

 

■No.6


(左)No.6コースマップ(右)No.6ティーイングエリア。距離は長めだが、カップ手前がかなりの崖になっている為、そこまでの距離は感じない。

No.3に近いレイアウトで、2段になっているフェアウェイの上段となる右側のフェアウェイルートと下段となる左側のフェアウェイルートがあるが、このホールは右側にある上段のフェアウェイルートを通るのが正解。カップ手前は大きな崖になっている為、ショートするとこの崖にボールが吸い込まれてしまう。3打目のショートは絶対に避けたい。一方、カップ左奥はラフだが急なくだりとなっている為、少し強くても、きちんと崖を越える強さでカップ右側を狙うのが正解だろう。

 

■No.7


No.7コースマップ

今大会で最も簡単なPar3。ホールインワンを狙って強めに蹴っても奥のバンカーでボールが止まる上、このバンカーからならバーディーが狙える為、積極的に攻めていけるホール。唯一、カップ左の大きな谷に落としてしまうとリカバリーが大変なので、カップ左側はNG

 

■No.8


(左)No.8コースマップ(右)No.8ティーイングエリア。写真ではわかりにくいが、ティーイングエリアとカップの間は大きな谷になっている。

No.7に引き続きイージーなPar3。カップ手前の谷をしっかり登れればパーは容易い為、無理せずパー狙いが無難。万が一谷を登りきらないとグリーン左にある地獄のバンカーが待っている。グリーン左手前のバンカーはアリソンバンカーになっている為、入ってしまうとリカバリーは相当に難しいだろう。

 

■No.9


(左)No.9コースマップ(右)No.9ティーイングエリア。ティーの真正面方向は右に傾斜したラフになっている為、左方向を狙うべき。

カップ手前に大きなアリソンバンカーが控える短めのPar5。一打目は左に蹴って飛距離を稼ぎ、二打目はフェアウェイ右側に置きたい。3打目はアリソンバンカーを避けてカップ右側の同じ段にのせるのがセオリーだが、カップ奥でも返しは容易い。バーディーを狙いにいかなければ確実にパーを取れるホールだ。

 

■No.10


(左)No.10コースマップ(右)No.10ティーイングエリア。残り9ホールで伸ばす為にもここではバーディーが欲しい

今大会最も簡単なPar4。グリーン花道方向にボールを止められれば3~40ヤードのイーグルチャンス。但し、カップ奥はラフだがかなりの下りになっていて、強く蹴りすぎると返しのバーディーパットが遠くなる為、手前から攻めてきっちりバーディーを取るのがベスト。

※団体戦準決勝 スペインvsフランス フェルナンド・ラゴ(スペイン)のバーディーパット
このソフトタッチでも約6mオーバー
https://www.youtube.com/watch?v=9TPhKXDXxpA

 

■No.11


(左)No.11コースマップ(右)No.11ティーイングエリア。左バンカー方向に蹴れば、大体同じところにボールが止まる。

どんなに飛ばす選手でもバンカーまでは届かない為、ティーキックでバンカーを気にする必要はない。セオリーは、ティーイングエリアから見て、一番左のバンカーと2つ目のバンカーの間。2打目は、バンカーとバンカーの間を通せばカップを狙うこともできるはずだが、無理にカップは狙わず、多少離れていてもグリーンにきっちりとのせるほうが良いだろう。このホールは、バンカーに入れなければ大崩れにはならないイージーホールだ。

 

■No.12


(左)No.12コースマップ(右)No.12ティーイングエリア。他のホールより狙いどころは狭いが、1打目をフェアウェイ右につけれればチャンス大。

このホールも、フェアウェイのルートとラフのルートの2つがある。セオリーはフェアウェイルートだが、飛距離の出る選手はフェアウェイ左のバンカーの更に左のラフを狙っていっても良い。一見距離のあるPar4に感じるが、セカンド付近とカップの間にある山がカップ方向に傾斜している為、うまく傾斜に乗せられればバーディーも十分に狙えるホール。カップ右側からはかなりの傾斜となり、ピンに寄せることも難しくなる為、2打目でピン左のくぼみまで落とすのがベスト。

 

■No.13


(左)No.13コースマップ(右)No.13ティーイングエリア。フェアウェイ右に見えるバンカーも難しいが、一番入れてはいけないのはカップ左手前のグラスバンカー。

カップに向かって登っている為、実際の距離以上に長く感じるPar3。ティーとカップを結んだ一直線上に右からバンカーがせり出している上、全体的に左傾斜になっていることから、左足でコースなりに蹴るのがセオリー。実際、個人戦最終組の5選手の内、3選手は利き足ではない左で蹴っている。カップ周りの傾斜も厳しい為、バーディーは難しいだろう。2打目をカップ右下に置き、のぼりのストレートラインを残してきっちりパーをセーブしたい。

※個人戦最終日、最終組のジェイミー・カラムのティーキック。右のバンカー越えを狙ったが失敗している。
https://www.youtube.com/watch?v=agu9YNIaP5A

※個人戦最終日、優勝したマティアス・ペローネのティーキック。マティアスは右利きだが、セオリー通り左足でコースなりに狙っている。
https://www.youtube.com/watch?v=fKKfxB6FJXI

 

■No.14


(左)No.14コースマップ(右)No.14ティーイングエリア。1打目は谷に向かっての打ち下ろしとなる為、そこまでの飛距離はいらない。

セカンド付近が大きな谷になっている為、ほとんどの選手がこの谷からの2打目となる。2打目からはグリーンに向かって打ち上げになっていて、距離もある為難しいホールだ。グリーン手前の花道は右に大きく傾斜していて、短いとグリーン手前のバンカーに吸い込まれるので、思い切ってフェアウェイ左のラフを狙ったほうが結果としてはうまくいく。ちなみに2打目でなんとかグリーンにのせ、3打目を奥のセミラフまで運んでも油断は禁物。カップのすぐ奥がバンカーになっている上、カップ周りもボールが止まりにくくなっていることから、ショートすると元いた位置にボールが戻ってきてしまう。

 

■No.15


(左)No.15コースマップ(右)No.15ティーイングエリア。クリーク先の傾斜に注意。

ティーイングエリアのすぐ目の前に小さなクリークがあるホール。難なく越えられる距離だが、クリークを渡った先が右斜めに傾斜している為、この傾斜に当たってしまうとボールがあらぬ方向に転がる可能性も。無用なトラブルを避ける為にも、カップ左のバンカーよりも更に左をしっかりと狙っていったほうが良いだろう。カップ右手前のアリソンバンカーはトラブルの素になる為、2打目も無理に狙わずにカップ左に寄せることだけを考えたほうが良い。

※個人戦最終日、優勝したマティアス・ペローネの二打目。マティアスは一打目でクリーク先の傾斜に嫌われ、カップ右手前のアリソンバンカーの更に手前にボールが止まってしまう。2打目はアウトサイドで浮かせて上の段になんとか乗せるが、難しい距離のパーパットを残す。
https://www.youtube.com/watch?v=9PRpXvxHDyo

※個人戦最終日、優勝したマティアス・ペローネの三打目。約10mのパーパットを捻じ込み、優勝をほぼ手中に収める。
https://www.youtube.com/watch?v=4AkxJYhxfFg

 

■No.16


(左)No.16コースマップ(右)No.16ティーイングエリア。このホールも、2打目付近が大きな谷になっている。

No.10の次に優しいPar4。一打目は谷になっていて、軽く蹴ってもほとんど同じ位置にボールが止まる為、2打目の勝負となる。花道はグリーン左のバンカーに向かって大きく傾斜している為、このバンカーさえ避けて花道を通したい。2打目できっちりとゴルフのグリーンにのせることができればバーディーチャンスだ。

※個人戦最終日、優勝したマティアス・ペローネの二打目。約60ヤードのアプローチだが、しっかりとカップと同じ段に乗せて来ている。
https://www.youtube.com/watch?v=mwgW6EQ-ZQk

 

■No.17


(左)No.17コースマップ(右)No.17ティーイングエリア。直線距離は短いが、貯水池と特徴のある大きなバンカーが選手の行く手を阻む。

一見距離がないように見えるホールだが、ティーグラウンド正面にある大きな貯水池を迂回するようにラウンドしなければならない為、数字以上の距離が必要となるPar5。2打目で貯水池を回避できるところまで飛ばすのが理想だが、1打目、2打目ともに池ギリギリのところを狙っていかねばならず、ハイリスクとなる為、ほとんどの選手が3打目で貯水池とカップ右の大きなバンカーを攻略していくことになる。ただ、このバンカーがかなりの曲者で、キャリーで越えられなければバンカー内にあるフェアウェイがほぼ確実にボールの行く手を阻む為、4打目のアプローチがカギとなる。間違いなくアルマーデン1の中での最難関ホールと言えよう。

※個人戦最終日、二位になった世界ランキング1位のベン・クラークによる三打目。ボールのバウンドを利用してバンカーを避けようとしたが、カップ右のバンカーに捕まってしまう。https://www.youtube.com/watch?v=kUJ9L5WErhE

※個人戦最終日、二位になった世界ランキング1位のベン・クラークによる四打目。バンカーからのナイスリカバリー。
https://www.youtube.com/watch?v=sWppceYyC8Y

 

■No.18


(左)No.18コースマップ(右)No.18クリーク付近よりグリーンを望む。ティーイングエリアはここから40yard程手前だが、ほとんどの選手がこのクリークを難なく越えていた。

ティーイングエリア40yard前方に小さなクリークが流れているPar4。クリーク手前にコンクリートがある為、飛距離の出ない選手でもワンバウンドでクリーク越えを狙える。また、クリークは浅く、キャリーでクリークに落ちた場合でもバウンドしてなんとかフェアウェイに戻ってくる可能性が高いことから、勇気を持って蹴っていけるかがポイント。ただ、1打目でクリークを越えられなくても、2打目でカップ近くまで寄せられる為、パーは難なく拾える比較的易しいホールだ。

※団体戦準決勝 スペインvsイギリス クリントン・ムーア(イギリス)のティーキック。
https://www.youtube.com/watch?v=WSvIzuG7GJ8

 

 

【フットゴルフW杯大会レポート】

① クラブハウス編
② ゴルフコース(アルマーデン1)編
ゴルフコース(アルマーデン2)編
④ ゴルフコース(モンゴメリー)編

 

 

 当記事のライター

フットゴルフウェブ編集部

 

 

 

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