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【フットゴルフ第34回ジャパンオープン結果】山縣が田中雄太とのプレーオフを制してツアー初優勝!!
2018.03.25 07:00 Result JFGA
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 山縣が田中雄太とのプレーオフを制してツアー初優勝!!

画像引用:JFGA(日本フットゴルフ協会)


JFGAツアー2018の開幕戦、第34回ジャパンオープンが、3月24日(土)に栃木県小山市のTBC太陽クラブ(PAR66)で行われ、トータル-3でラウンドした山縣祐人が、田中雄太とのプレーオフを制してツアー初優勝を飾った。プレーオフで敗れた田中が2位。3位タイには、No.8でホールインワンを達成したコージャ今村と、前半を-4で回った2016年アジアチャンピオンの桑田寛之が入った。なお、優勝者がプレーオフで決定したのはJFGAツアー初。

 

ガンバ大阪堺ジュニアユース出身で、阪南大高サッカー部では主将を務める等、細身ながら確かな技術で常に安定した成績を残してきた山縣祐人。2018年度からは、日本初のプロフットゴルフクラブである「GANADOR FOOTGOLF CLUB(ガナドールフットゴルフクラブ)」に所属し、ハイレベルな仲間たちと研鑽を積み重ねていたが、開幕戦で、早くもその成果が形になって表れた。

 

スタートホールでバーディーを奪った山縣は、No.2、No.3を連続ボギーとして後退すると、続くNo.7でもボギーが先行する苦しい立ち上がり。しかし、No.9のロングホールでバーディーを奪うと、後半に入ったNo.10、No.11でもスコアを伸ばし、3連続バーディーで一気にリーダーボードを駆け上がる。その後のNo.13では再びボギーを叩いてしまうが、続くNo.14、No15で取り返し、単独首位に立っていたコージャ今村がNo.15をボギーとした為、ついにトップに並ぶことに成功した。その後は、同時に首位に並んだ田中雄太が一足先にNo.18でバーディーを奪った為、追いかける形になったが、最終No.18でバーディーを奪って田中と共に-3でフィニッシュ。No.17のチャンスホールをボギーとし、優勝争いから脱落したコージャ今村が-2でフィニッシュした為、勝負の行方は、山縣と田中による、JFGAツアー初のプレーオフへと委ねられることになった。

今回のプレーオフは、No.18のPAR5を使って行われた。

 

写真:(左)山縣祐人(右)田中雄太


先にティーキックを蹴ったのは、「ジャパニーズバズーカ」の異名を取る飛ばし屋の田中雄太。田中はインサイドキックを選択し、難なくフェアウェイをキープするが、それでも持ち前の飛距離でビッグドライブを披露。すると、続く山縣もインサイドキックを選択。大きな飛球線を描いたティーキックは、先に蹴った田中のキックをオーバードライブして、フェアウェイ左サイドへ。山縣は、元々インサイドキックを多用するプレーヤーではあるが、プレーオフという独特の緊張感の中で、飛ばし屋の田中の飛距離を上回った今回のティーキックは、見事と言うしかない。

2打目は、二人ともフェアウェイ左サイドを狙うが、フェアウェイ真ん中やや左のベストポジションに置いた田中とは対照的に、山縣のキックは左のラフまで転がっていってしまう。難しいポジションからの3打目となった45m程のイーグルトライを思うように寄せられず、6mの難しい下りのフックラインを残した山縣だったが、外せばほぼ負けが決まるという厳しい状況の中で放ったバーディーパットは、カップの縁を舐めながらなんとかカップイン。静かにこぶしを握りしめた山縣の姿は、このパットがどれ程難しいパットであったかを物語っていた。一方の田中は、3打目を3mに寄せる見事なアプローチで難なくバーディーを奪った為、勝負の行方は、No.18のカップを使った『ブラインドアプローチ』へと持ち越されることになった。

 

『ブラインドアプローチ』とは、世界フットゴルフ連盟(FIFG)が定めるプレーオフの優勝決定方式の一つで、競技委員が定める所定の位置からカップに向かって順番にアプローチを行い、カップに入れるかよりカップに近いほうが勝者となる方式だ。このとき、後からアプローチを行う選手は、自身のアプローチが有利になることのないよう、先に蹴る選手のキックや球の行方を見てはならない。これが、『ブラインドアプローチ』と呼ばれる所以だ。決して、目隠しをしてアプローチをするわけではない。

 

JFGAの田村競技委員長が指定したキックポジションは、山縣と田中がそれぞれ3打目を蹴ったポイントのちょうど間あたり。どちらかが有利になるような、どちらも有利にならないような、絶妙なポジションだった。

たったの一蹴りで優勝が決まってしまう『ブラインドアプローチ』のプレッシャーは、観戦者には伝わりにくい。しかも、先ほど蹴った位置、ラインと大きく変わらないとなれば、より簡単に見える。ギャラリーの多くは、二人ともが限りなくカップに寄せ、数10cm差の勝負になることを期待したことだろう。

しかし、プレーオフ1ホール目と同様に先行となった田中のアプローチは、周囲の予想を大きく上回り、カップ手前15mの位置で止まってしまう。蹴った田中も、思わず唖然とするほどのミスキック。一蹴りにかかったプレッシャーは、田中の体を思った以上に硬直させたに違いない。

田中のアプローチを見ていない後攻の山縣も、見えない重圧に苦しめられたようだ。それでも、先に蹴った田中より内側につけ、見事、自身初のツアー優勝を飾った。

画像引用:JFGA(日本フットゴルフ協会)


優勝スピーチでは、「昨年は結果を残せなかった」と回想した山縣だったが、日本初のフットゴルフクラブの創設メンバーとなったことで、JFGAツアーの新たな歴史に名を刻むことに成功した。現状の仕組みでは、安定した成績を複数大会で残すより、1日の中でどれだけ爆発できるかが問われるJFGAツアー。ずば抜けた得意技で勝負するタイプではなく、山縣のように平均的に高いポテンシャルを持った選手が優勝したのは、現状の仕組みに一石を投じたように思う。

2018年シーズンの開幕ダッシュに成功し、今年のツアーを引っ張る存在になった山縣の、今後の成績に大いに期待したい。


 大会結果

第34回JapanOpenのリーダーボードはこちら
https://footgolfweb.jp/schedule/156

 

 当記事のライター

 text by 軍司和久

広告代理店のスポーツ担当として、バドミントンやテニスの国際大会、国内女子プロゴルフトーナメントの企画運営などに従事。フットゴルフとの出会いは2015年。当初は、ゴルフ界における新しいビジネスチャンスとして注目していたが、2016年1月にアルゼンチンで行われた第二回ワールドカップを視察した際、競技としての面白さに魅力を感じ、2016年よりツアー参戦。ジャパンオープン最高位は2位タイ。

2017年10月に軽井沢72ゴルフで行われた「FIFG WORLD TOUR JAPAN FOOTGOLF INTENATIONAL OPEN 2017 Supported by Cygames」では運営側に回り、総合プロデューサーとして大会の成功に尽力。日テレジータスで放映された番組では、世界初のフットゴルフ番組解説者を務めるなど、多方面でフットゴルフの普及発展に努めている。本サイトでは、主に日本国内のフットゴルフ事情について寄稿予定。

 

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